慶應義塾大学:コ・モビリティ社会の創成:文部科学省 科学技術振興調整費 先端融合領域イノベーション創出拠点の形成 H19年度採択

コ・モビリティ社会の創成
コ・モビリティ社会
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三位一体の研究体系
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コ・モビリティ社会研究センター
  (総括責任者)清家 篤
  (センター長) 小川 克彦
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協働研究企業
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社会実証実験
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「ライフラインステーション」のデモンストレーション実施
 2009年3月2日(月) 

栗原市のホテルエポカにて、平成20年岩手・宮城内陸地震で多大な被害を受けたこと、さらに近い将来に高い確率で発生が予測されている宮城県沖地震への対応を検討していることに関連し、研究開発を行っている「災害対策本部と被災住民との情報交換を容易にし、汎用性が高い情報通信システム」のデモンストレーションを行いました。

【デモンストレーションの目的】

通信は災害時の情報交換になくてはならないものです。しかし、大規模災害時には、既設の通信インフラが打撃を受けて使用不能になったり、特定の地域に急遽通信設備が必要になったりします。このような時に役に立つシステムとして、当研究センターでは、専門家でなくとも短時間でインターネットの接続性を任意の場所に開設することが可能なシステムの開発を目指してきました。
本システムを活用することにより、災害対策本部や地域住民の情報交換を容易にし、災害による被害の最小化と素早い復旧を目指しています。

コ・モビリティ・ライフラインステーション

【システムの特徴】
・柔軟性が高い、組み合わせ可能なパッケージング
コ・モビリティ・ライフラインステーションは、モジュール化された数種類のパッケージから構成されています。必要に応じてパッケージを選択することによって、要求に合ったネットワークを敷設することが可能です。

・被災地に存在する資源活用
大規模災害時には、田玄など基本的なインフラも打撃を受けていることが想定されます。コ・モビリティ・ライフラインステーションでは、家庭用の100V/DCあるいは24V/DCなど(車載バッテリー等)被災地にあるバッテリーでの運用も可能としています。

・一般住民への情報提供

被災住民への情報提供手段として、エリアワンセグ放送を可能としています。住民が所有する一般的なワンセグテレビ機器(ワンセグ対応携帯電話など)を利用して放送を行い、被災住民への情報提供が可能です。また、インターネット接続を使い、放送コンテンツの制作/編集を非被災地に依頼することを可能としています。

・被災地への携行を考慮したパッケージング

被災地への持ち込みを考慮して、それぞれのパッケージを携行可能なものとしています。現在のところ十分な小型化は出来ていませんが、今後、小型軽量化を進めていく予定です。

・ライフラインステーション
デモンストレーション風景
【デモンストレーションの概要】
コ・モビリティ・ライフラインステーションのデモンストレーションでは、自然災害発生時情報断絶状態から速やかに復旧し、次のように被災住民への情報サービスの提供を実現します。

・想定環境
想定項目
具体的な状況例
停電の発生 構内電源・既設予備電源が使用不能
交通網の崩壊 主要道路の遮断・地域(町・村)の孤立
既存情報基盤の崩壊 インターネット・固定電話網・携帯電話網が使用不能。テレビ・ラジオ放送が視聴不能・防災無線が使用不能
使用者 被災者(行政職員・市民)、および初期復興着手要員
使用者のスキル 家庭用ブロードバンドルータが設定できる程度

・コ・モビリティ・ライフラインステーションが構築する情報基盤
本パッケージでは、被災地からVSAT衛星通信システムを用いてインターネットに接続し、無線LANによって被災地にあるデバイスにインターネット接続を提供します。また、ワンセグ放送形式のコンテンツファイルをIP伝送技術によって遠隔地から被災地に伝送し、エリアワンセグ放送による情報提供を実現します。

デモシステムの構成(概要)

コ・モビリティ・ライラインステーションには、多様なデバイスが無線通信でき、情報サービスを提供します。ラップトップコンピューターやスマートフォンなどには、無線LANによるインターネットアクセスを提供し、通常のインターネットと同様に多様なサービスが使用できます。また、携帯電話をはじめとするワンセグ受信端末には、被災者の安否や地域後方のサービスが利用できます。

・パッケージの展開と使用
コ・モビリティ・ライフラインステーションは、(1)構内電源など既存設備に依存せず、身の回りにあるものを利活用して動作する、そして、(2)非常に簡易な操作で短時間にパッケージを展開・構築できる、といった特徴があります。
本デモンストレーションでは、被災地にある乗用車のシガーソケット電源を使用してコ・モビリティ・ライフラインステーションを動作させます。また、数名の被災市民によってパッケージが10分程度の所要時間で展開・構築できることをご覧いただきました。
本パッケージの設置後は、ビデオ会議や音声通話、メッセージング、画像などデジタルデータの共有など、インターネットサービスが動作すること、および非常時の情報提供や復旧・復興に特化したコンテンツのエリアワンセグ放送をご覧いただきました。

・デモンストレーションにご協力頂いた企業
【エリアワンセグ放送システムのご提供】 KDDI株式会社
【VSAT衛星システムのご提供】 スカパーJSAT株式会社

・今後の展開
コ・モビリティライフラインステーションは、被災地での素早い行動を実現するためのネットワークパッケージです。今後、小型軽量化などを進め、被災地において、より使いやすいものとして改良を加えていく予定です。また、技術的側面だけでなく、本システムを運用するための法整備や自治体との連携等についても検討を進めていく予定です。

・ライフラインステーション
デモンストレーション風景



 関連新聞記事(PDFファイル)
・大崎タイムス
 「災害時の情報交換容易に 栗原でデモンストレーション コ・モビリティライフラインステーション
・河北新報
 「情報網寸断即カバー 大災害想定 栗原で実演 慶大 システム実用化へ 無線LANなど活用

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